百人一首50番歌
君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな
あなたのためならば惜しくはないと思っていた命でさえ、今は少しでも長く生きていたいと、思うようになってしまったことよ。
この歌は、恋愛の心情を詠んだものです。最初は愛する人のために命を捧げても惜しくないと感じていたが、相手のことを思うあまり、もっと長く生きてその人と共にいたいという気持ちが芽生えてきた様子を詠んでいます。愛の深まりや、命の大切さを表現した歌と言えるでしょう。
藤原顕輔の和歌は、感情を繊細に表現しつつ、平安時代末期の優雅さを兼ね備えていると評価されています。彼の歌は、恋や人生に対する深い感慨が込められており、心情の変化を巧みに表現しています。